1004「9月の読書記録/雑記」

 10月も始まり、2019年も残り3ヶ月を切ってしまいました。皆様、元気にお過ごしでしょうか。
 9月は途中から事切れたように消えていましたが、なんとかやっておりますし、相変わらずハスボーと戯れる日々を送っています。こんなにもぬいぐるみを愛でる精神が私の中にはまだ宿っていたのか……と自分でも奇妙に感じる程度に、しょっちゅう青い身体をふにふにしては抱きながら家で一服し、日常生活で出来た擦り切れた心を癒やしてもらっている日々です。

 

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 そんな9月ですが、読書の方はこれまでの月と並べると群を抜いて読むことができ、最終的には19冊読了することができました。わーい!夜が冷めてきて風呂に入りながら電子書籍を読むようになったのも大きい。あと1冊で20冊だったのできれいに終わらせたかったくらいですが、思いの外梨木香歩の「やがて満ちてくる光の」というエッセイが一篇一篇重たい、というか、ひとつ読んでは噛みしめる、というような感じですたすたと読ませてくれない筆力があり、9月に間に合わせることができずぎりぎり10/1になってしまったことが若干悔やまれます。梨木香歩のエッセイは何冊か読んだことがありますが、そのたびに時間がかかっています。
 9月はなんといっても八咫烏シリーズを読破したことが大きかったですね……。フォロワーさんが読んでたのを見て気にはなっていたのですが、キャラクターの機微がふんだんに表現されて、世界観も深く深く掘り進めてくれる長編はやはり良いものだなと、読んでいても心の奥まで揺さぶられて気持ちがいいなと、改めて実感した次第でした。特に第一部終盤を読み進めるのに苦しみは伴いましたが……本当に苦しくて胸が裂かれる思いでしたが……その苦しみも含めて気になってページを捲る手が止まらない動悸が激しく目は冴えていくという感覚はたまりませんね。今年の序盤に読んだ「新世界より」も苦痛と数多の犠牲を伴う長編物語でしたが、そういった物語が好きなのだと確信せざるを得ません。
 他に読んだ「家なき子」も児童文学ですがとても児童向けとは思えない描写も含まれつつ、旅物を愛する人間にはとても楽しい読み物でした。子供だというのに何故こうも耐えがたい困難が降りかかるのかと、呪われているかのような展開に胃がきりきりしつつも全体に渡っている愛情や優しさが沁みるようで、確かに作者はこれを自分の子供のために書いたんだろうとしみじみ考えさせられる作品でした。好きでしたね。
 八咫烏シリーズと双璧を成して9月私を狂わせたのが美しい彼シリーズで、これは久々に読んだがっつり商業BLノベルなんですが、もう、これに関しては……萌えるとしかいいようがなく……BLは最高だな!吃音症を持つがゆえに幼い頃からいじめられている主人公(攻め)とそんな主人公が高校二年生の時に転校してきた美人で高慢な同級生(受け)の織りなす高校生から大学生にわたる物語なんですが、二人の成長も、擦れ違いも、気持ちが合わさった時の幸福も、キャッチーな言葉選びではあるのですが丁寧に書かれていて、読んでいてもどかしさもあり気持ち良くもあり、異様なまでに夢中になって読みましたね。勿論(?)ね、この手の話にはあって当然のツッコミどころはありますよ、でもね、そんなのはどうでもよくなるくらい本当に楽しかったし、文章もお上手ですらすら読めるし、ご褒美おせっせは激しすぎないけど淡泊すぎない個人的にはちょうどよいえっちさで……とっても可愛い汁が出ています(言い方)(下ネタ苦手な方ごめんね)……はあ……物語から得られる萌えってこんなに心を潤すのかと久々に味わったような感覚で、BLは最高だな!(二度目)どれだけはまったかというと、うっかりドラマCDを買ってしまう程度には閾値を突き抜けていきました。YouTubeでかいつまんで音源を聞いてきたことはありますが、がっつり買って聞いたのは初めてでした。小野友樹斉藤壮馬がメインキャストで……それはもう上手かったです……。原作より脚本はシンプルでしたが吃音も可愛さも流石としかいいようがなく表現されてて大変満たされてしまいました。売り上げが好評で2巻もドラマCD化される奇跡が起きないだろうか(遠目)凪良ゆうは一般書籍でもこないだ出た本がどうも好評らしいのでそちらも読みたい。美しい彼シリーズは可愛いBLが好きな方にはとりわけはまると思います。電子書籍でも買えます。ぜひ!
 早口で語ってしまったオタクの心境である。
 他の本も語りたいことがありますし、本当は当初の予定では今日から映画公開となった「蜜蜂と遠雷」の話もするつもりでしたが、時間も遅くなってきたのでここらでしめようと思います。
 さあ、10月はついに……十二国記の最新刊がきますね!
 10月12日。ついにあと一週間となりました。嘘みたいですね。まだ先のような気がしていたのに。もうずっとドキドキしています。12,13日は仕事休みにしておきました(どや)あ~っ本当に楽しみです。当日はまさかのナックラーコミュデイが被ってしまいましたがポケGOはポケGOで楽しみながら、十二国記の世界に浸ろうと思います。その前に軽く過去作品をさらいなおしたいところではありますが、最近買った本も読みたい。読んでも読んでも、次から次へと読みたい物語が増えていく。
 なんにせよ、今年の目標としている100冊という節目が見えてきました。10月はどのくらい読めるのか、楽しみです。


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 なにかで心にすっと傷ができるたび、もっと、ささやかでいいから優しい方向に傾いていかないだろうか、と思います。でも、なかなか世界の方はそうならない、ままならないから、きちんと自衛したり、自分の方を整えていく方がよほど建設的。
 読書の方はそこそこ捗っていましたが、執筆の方は書けない期間が長くて、それでもふとテキストファイルを開いてキーボードを叩いてみると、文字数はそれほどたくさんでなくとも、自分の予想していたよりもすらすらと言葉が出てきたりします。その瞬間に湧き出すのは喜びというよりも驚きに近く、こうしてブログを書いている今も、終わりまで文章を書けている不思議に驚きます。しかしそれはつまり、からっぽなどではなく、自分の中には何かしらを生み出す源が生きており、それは豊かな噴水のように何もしなくても湧いてくるものではないし、枯れてしまったように何も出てこない時も勿論あるけど、きちんと水を与え、きちんと食べさせて、栄養を与えて。新しいものを入れて思考を動かして、きちんと休めば、またこうしてパソコンを開くのでしょう。
 読書に限らない今のインプットや、どこかもやもやとしながら自分の中で練り込んでいる心が、単純で感情的な形ではなく、いずれ文章だったり、何か別の表現だったりちょっとした挑戦だったり、なにかに変換されて気持ち良く放出できるように少しずつ模索していきたいです。
 Twitterは頭が痛すぎて離れた日からずっと見ていません。予想が当たっていれば、たぶん、ハウグラ関連に関しまして何かしらのリプライがあの日来ているとは思うので、それが心苦しくはあるんですが……。まだ暫く見ないつもりです。でも死なない限りはいつかは戻ります。
 ここまで読んでくださったあなた、ありがとね。