1101「10月の読書記録/HSP/もうすぐ100冊!」

 冷え込むようになり、外にいても部屋にいても上着がかかせなくなってきました。風邪をひきやすい時期だな、と思います。今年は例年より寒い冬になり、インフルエンザは猛威を振るうと風の噂で聞きましたが、果たして。気分の浮き沈みはあるものの、体調としてはうまくコントロールできている気がしています。とはいえ、急な寒さで身体を崩すことは仕方の無いことですので、皆様ご自愛ください。

 前置きもそこそこに、10月が終わったので読書記録を振り返ります。

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 計15冊。9月ほどではありませんので、あまり読めなかったような気がしていましたが、15冊となると大体2日に1冊くらいのペースで読めているので、私にしてはかなりよ速度です。
 ラインナップを見ていると、なんというか、赤裸々といいますか、開けっぴろげといいますか、その時の興味が色濃く繁栄された題名が並んでいるなと思います。
 10月といえば十二国記の最新刊が発売されました。台風がやってきていた日でしたね。強い雨風に負けず、近所の本屋に行ったら、明らかに同じ目的の人たちが同じように買っていて、なんだかほっこり。そんなことをできたのは、台風の直撃進路を免れていたからに他ならないのですが。簡単な感想は過去のブログに書いたのでこの場では割愛しますが、11月の続刊が待ち遠しくてなりません。そういえば、ここを読んでいるような希有な方で、QRコードで読み取れる書き下ろし短編を読んだ方はもうおられるのだろうか。私は11月の3,4巻を読み終えるまでは一応とっておくつもりでいますので、未読です。11月9日が発売日ですが、10月と違って、この日はあまりにも職場の出勤人数が少なすぎることと、夜に飲み会を控えているので発売日からがっつり読むということはできなさそうで少ししょんぼりしています。まあ、仕方なし。楽しみは後にとっておいて、先にやるべきことをきちんとやってから堪能するのもまた享楽。


 それから月末あたりでよく読んだのは、見れば分かるんですがHSPに関する書籍ですね。
 少し前にやかましい騒音や機械音に強烈な不快感を覚えているという話をブログに記しましたが、相変わらず続いております。通勤路を変えてできるだけ車通りの少ない住宅街の中を進む道を選んだり、音を流さずイヤホンをつけて洗濯機を回したりと音に対する直接的な工夫をして負担は軽減されていますが、そもそももっと根本的な問題、もともとの素質や、ストレスによるものが影響しているのではと考えているところに、たまたまHSPの記事を見かけて、興味を惹かれひとまずは本を読んでみることにしました。今、巷では話題になっているのでしょうか。私は読んでないのですが、「繊細さん」がブクログのランキングでも上位になっているので、ホットワードなのかなという予感はしています。
 Highly Sensitive Person略称HSPは、敏感すぎる人、という意であり、心理療法家であるアーロン氏が提唱した概念で、世界の5人に1人はHSPであると彼女は発表しています。音や匂いや色や痛みといった五感への刺激だけでなく、感情や言葉などさまざまな刺激に対し過敏に受け止める人間を指します。良く言えば感受性が高いということです。細かいことはググればいくらでも出てきますのでここでは割愛します。
 音に対する過敏性がとりわけひどくなったのはここ最近なのでなんともいえませんし、自分がそれに当てはまるかといわれると、そうである部分もあればそうでない部分もあり、それは十人十色人間がそれぞれ違うのと同じように、まったくそれと当てはまる人はいないわけで。ただ、思い当たる部分はあるので少なからずそういう面はあるのだろうなとは考えています。なのでHSPについて理解を深めるのは自分を知ることや未来を生きやすくすることにも少しは繋がるだろうという思いからでした。
 ただし、このHSP、セルフチェックが基本となり、かなり主体的な見方となります。占いや心理テストと同じで、そう言われてみればそう、これって私のこと?当たってるじゃん~に安易に至るのは興醒めだし冷静さを欠いている。
 私が読んだHSP関連の本はデンマーク心理療法士イルセ・サンの2冊と、精神科医岡田尊司の1冊になります。イルセ・サンはHSPとはどういう能力を持ち、どういう困難を持ち、そしてどう付き合っていくべきかを全体に優しい表現で書き抜いています(あと装丁が綺麗です)。海外の考えが根にあるのでやや日本人には当てはまりづらい部分もありますが、カウンセリングのように読んでいる人間に語りかけてきており、具体的にどうすることが喜びに繋がるのか、なおかつ障りの無いきれいなことばかり言ってるわけではないのが好ましい点でした。先に読んだ「鈍感な世界に生きる敏感な人たち」の方が個人的には好きです。
 岡田先生(医師だし思わず先生とつけてしまう)の本は、どちらかというと感覚的に物事が語られがちなこの概念に対し、臨床研究データや事例をもとに論理的にまとめた本になります。最初の数ページでHSPの概念に対してガンガン叩いていることからして素敵。しかしそのうえで、「過敏」と一言でいうには乱暴すぎるこの概念に対して医学的な側面から見つめます。ただの感覚的な話に収まらず、神経系の問題や遺伝的側面、育ってきた環境や、発達障害との関係、克服法など。日本人だからか前述したイルセ・サンよりも事例や具体例に親近感が湧きます。濃厚な一冊であり、「過敏性とは具体的に何者」という疑問に対してはこれで割と満足感は得られました。多分このジャンルの話題はわかりやすくて共感されやすいものが多いと思われるので、そういうものに比べると小難しさはあるかと思いますが、エビデンスに基づいた良質な情報を得られます。HSP関連について気になる方には薦められる。前述のイルセ・サンも個人的には好きですが。精神的側面が強い語り口としては良質な本だと思います。
 レビューやあらすじなどをもとに選んだたった三冊を通し読みしただけでいわゆる過敏性の何を知ったんだという気はしますが、ひとまずこれに関する知識は満足したし、もう少しこの三冊を読み込むのがいいかなと。知識を深めることは、自分を知ることに繋がる。自分を知ることは、自分に合った生き方に繋がる。それは学ぶ面白さの一つですね。

 さて、読書リストを見て貰えればわかるように、10月で年間の読了数が99冊に到達し、あと1冊で今年の目標である100冊に到達しようとしています。9月からたくさん読めているのが良いですね。まさに読書の秋です。
 この100冊の中には、1冊にカウントしても良いのか微妙なところでもある短編も含まれているのでちょっとずるをしている気もしていますが、それでもここ数年の中ではかなりの量を読めています。
 読書は娯楽。
 楽しいから読むには違いありませんが、多く読むことは何に繋がるのだろう、とこの一年考えており、いくつか、自分なりの言葉・答えが見えかけています。答えというのは一つではないし、そこに正解も不正解も無いし、いくらでも変容する。変わるからこそ、今、ここ、の考えはどこかに留めておきたいし、今年が終わる頃に、一年のまとめとしてきちんと言葉にして残しておきたいと思う。
 100冊目をどうしようかな、と10月末に本棚を眺めていましたが、大好きだけど、そういえばここ数年読み返していなかった本の中から一冊選ぶことにして、もう決めています。新鮮な気持ちで再読しております。

 さて、連休ですね。私は残念ながら仕事がありますが、遊びに行ったり、ゆっくり休んだり、思い思いに楽しい連休をそれぞれ過ごされますように。私も一日は休日があるのでその日は好きなことをして過ごします。
 秋の夜は長いですが、夜更かししてリズムを崩して体調を崩されぬよう。おやすみなさい。