1211「いたわりハーゲンダッツ」

 先日、「ブログを書いてから小説を書いたら勢いで字数が稼げるのではないか」という疑惑がデータから浮かび上がり実際にブログを書いてからまた執筆をしてみたのだけど、いつもより多く書けたので、今日それを試してみようかと思う。意識が向いてしまうとそういうバイアスがかかってしまうのだけれど、気軽な実験感覚であり、小説としては進めばなんだっていいのだ。ブログを書いてから執筆をするということはそれなりに時間的にも余裕が必要にはなる。時間があるということ自体が余裕があるので字数も増えるかもしれない。でも、進まない時はたとえ時間があっても進まないのが小説だ。そして今日は比較的時間に余裕があり、ブログを書く余裕もあるので、これを書いたら小説を書く。

 定時に帰った。
 なかなか定時に帰れることは少ないのだけれど、というのも今日は久しぶりにあの眼精疲労からやってくる頭痛が昼過ぎからじりじりとやってきていて、運が悪いことに鎮痛剤を持ってくるのを忘れていたのでそれに耐えながら業務をしており、もう、今日はさっさと帰って、ゆっくり休もうと思っていた。低カロリーで働き、頭が痛くなければ残業して溜まっている仕事に取り組めたのだけれどそれも全部ぽいと投げ捨てて、コンビニに途中で寄って、今日の夕食とおやつを買った。最近は自炊していたのだけど頑張れないときは素直に頑張らない。
 食後に飲みたいところだが、我慢ができないので鎮痛剤を飲んでからごはんを食べる。いつもならごはんを食べている間暇なのでYoutubeやアマプラなど動画を見ながら過ごしているのだけど、電子画面の一切を目が受け付けなかったので、片手で箸を持ち、片手で本を捲る、行儀の悪いスタイルの食事となった。おかげで読みかけの本であった獣の奏者を読了し、読んでいるうちに頭痛は引いていた。おかげでPC画面を見ても平気だし、執筆しようと考えているし、あわよくばその後ポケモンをしたいなどと考えている。生活は電子機器に浸食されている。そりゃあ、眼精疲労に苦労するのも無理は無いのだ。
 今週もまだ半分だけれど、ハードな幕開けとなって、たぶんその疲労もきていたんだろうなあと思う。頑張った時には、自分をきちんと労ってあげる。労るには十分に休める時間がなによりも必要なので、今日のような日は貴重で、労るにはちょうどいい。
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 久しぶりにハーゲンダッツを買って帰った。
 元々は苺とブラウニーのアイスが昨日から発売になったらしいのでそれを食べたかったのだけど、近所には残念ながら売られていなかったので、代わりに苺を食べた。
 苺にしろバニラにしろなんにしろ、特に期間限定でもない普通の味を買うと、ハーゲンダッツの美味しさが際立つような気がする。後を引きすぎないんだけど濃厚な味わい、すっと舌を溶けていく軽さ。苺は小さな果実が美味しい。
 冬の時期のアイスは美味しい。温かい部屋で食べるアイスの背徳感が心地良い。そういえば今年の夏は一度も自宅でアイスを食べなかった。けど、冬になると、寒いのに、雪見だいふくを食べたくなる。ハーゲンダッツだって食べたくなる。いや、年中食べたいのだけど、甘くて冷たいものと、温かい飲み物を、どちらも美味しく楽しみたくなる。
 小さな贅沢。明日も明後日も食べようというわけじゃない。一度食べたらしばらくお預け。またどうしようもなく食べたくなるくらい疲れた時に、いつかまた食べる。
 生きていたらたくさん疲れちゃうことがある。でも、逃げ道なんてたくさんあって、その逃げ道や、吐き出す場所を上手に使って、また明日に向けて少しだけ前を向いていたい。嫌になってどこかに消えてしまいたくなることもあるし、本当に死んでしまうひとも、この世には間違いなく居て、それが時折虚しく、もどかしく思う。きらきらとした希望を持って生きようとまでは言わない、けれどそんなに悪いことばかりじゃない。嫌になったらハーゲンダッツを食べてみよう。贅沢だな、と思うことに少しだけお金を出してみて、溶けゆく甘さに思考を集めてみる。たまにならいいじゃない。数万円も数千円もするものじゃないのだから。
 たったそれだけのことでそれなりに幸せになれるのだから、私という人間は簡単に出来上がっている。そうして自分を整えながら、また明日、明後日、と生きていくのだ。
 では、頭痛もしっかり治っているようなので、小説を書きに行ってきます。
 ここまでありがとうございました。